山口紀生の読書メモ

読書してココロに響いた言葉を記録していきます。

心と生き方  稲盛和夫

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過去につくった業が消えるときに災難が現れるわけです。現れるということは、つまり「済み」なんです。過去につくった業は、消えるためには表に出なければならない。隠されている間は、業は消えていかないのです。

 

ジャック・マイヨールが限界まで潜ったときに聞いたという宇宙の音と、ラマ僧がお経を上げるお寺の中で最初にうなる、その音とはまったく同じだと思いました。そのお経の音は、単調な低い音ですね。その波長と宇宙の波長が、同じ波長なのだと気づかされました。

 そして、お経の波長があの世と繋がっているのです。だからご先祖様の供養にお経を上げるのです。そしてご先祖様は喜んでおられる。

 

そういう心配をするものだから、ますます会社がおかしくなってしまうのです、

「それくらいなら、心配するな。もし潰れそうやったらもっと働け」と。だから「悩み、心配というのは、しなさんな」ということです。気がらくになります。これで心が救われるんです。

 

良いことを思えば良いことが生まれるという因果応報

運命は生まれながら決まっているが、因果応報と相まって結果が決まる。

とても悪い運命であっても良い行いをしたことによって、そんなに悪くはならないことがある。でも良いことをして良い結果になっていないので、分からないことがある。運命と因果応報の足し算が現実に現れるのだ。

 

私は、善いことに出会おうと、悪いことに出会おうと、どんな運命に出会っても、その運命に出会ったことに感謝する心で対応することが必要だ、と考えているのです。

 

人生の目的というのは「心を高める」ことにあります。心を高めるというのは、心を純化する、心を浄化するというふうに、私は皆さんに言っています。人間性を高める、人格を高める、全部同じ意味です。それが人生の目的であります。

 

繰り返しの反省をやっていれば、じつは潜在意識に入っていきます。人間のなかで人格の大きい部分を占めるのは潜在意識です。その潜在意識というものが、繰り返しの反省によって変わっていくのです。

 

たとえばある勉強をした。また、本を読んで、感銘を受けた。「わぁ、すばらしい」と思った。でもそれによって心のレベルが上がり、暫く持続するかというと全然そうはなりません。その瞬間上がっただけなのです、

繰り返しそれをやって始めて持続できるのです。地球の重力との関係でいうと、一番下が地べたに這いつくばった人間。そこから上がっていって宙にういている状態にならないといけないのです。

宙にういている状態とは、常にエネルギーを発して、地球の重力に打ち勝っている状態です。例えば、プロペラを回しているとか、エンジンの噴射でエネルギーをだしているような状態です。

おなじように一定レベルを維持するためには、常に学んでいる、反省していることが必要なのです。そして、人格、人間性を向上させるという場合には、まっともっと勉強しなければならないのです。

 

 

人の喜びが自分の喜びに感じられる。人の悲しみが自分の悲しみに感じられる心境

 

 

ものを言い、実行して見せられる人。これが胆識のある人です。

 

「小善は大悪に似たり」「大善は非情に似たり」

目先の親切や情に流されていると大きな災いになり、目先は非情に見えても長い目ではそれが必要ということ。

 

「こうだったらいいのになぁ」というような生易しいものじゃないんです。「何が何でもこうでありたい」というもの。「矢が降ろうと何が降ろうと、こうでありたい」という強烈な願望です。

 

潜在意識に蓄えられている情報は全体の10分の9になります。顕在意識化しているのはわずか10分の1。この10分の9のうち、繰り返し覚えたことと、衝撃的な体験をしたことだけは顕在意識に出てくるのです。

 

人が決してできるわけがないというような、そういう厳しいものにチャレンジをしていくこと、ここに企業としての重要なポイントがあるのです。

 

無生物であっても、世の中にデビューしたときはやっぱり子どもみたいに安定しないんです。それが長年使われている間に、安定してきます。

 

感想

稲盛さんは、人間を磨き続けることが経営の神髄だと言っている。

人生の目的は魂を磨くことである。魂はまた次の人生に引き継がれてゆく、と。

私は、宇宙は愛に向かっており、人生の目的は愛を知ることだと思っている。

愛に向かっていることは上手くいき、愛に背くことはうまくいかない、と。

 

ただ稲盛さんの言う「人間を磨くのはひたすら働くこと」ということが引っかかる。二宮尊徳や野球の稲尾和久のひたむきな精進を例にしているが、「考える」行為なしに人間は磨かれないと私は思う。スポーツ選手が犯罪や薬物で捕まる話もよくある。私は人間をみがくには、ひたむきな努力以外に考えることが大切であり、心理学や脳科学を勉強することも大切だと思っている。コミュニケーション力も大切である。